社会インフラの脆弱性をDesign For Failureで再考する

概要

天災に弱い日本の社会インフラについて、Design For Failureであり方を考えて見る。

 

 

日本の社会インフラの脆弱性について

 安倍内閣の政策の一つに国土強靭化がある。自然災害が発生しても被害を最小限にとどめ、迅速に復旧するための社会インフラを構築することが目的とされる。

災害対策には、堤防や盛り土などの防災設備や避難設備を整備するハード面の施策と、防災訓練やハザードマップの作成などのソフト面の施策があるという。

今年は、西日本豪雨北海道胆振東部地震、台風21号、24号による天災が立て続けに発生し、甚大な被害をもたらした。特に被害が大きかったのが、西日本豪雨だろう。注意すべきは、堤防が決壊したことによるハード面の問題に加え、住民が避難指示を人ごとと捉えて無視したソフト面の問題があったことだ。

誰しもそうだと思うが、自分を含めた身近な人たちが被害を受けないと、災害とは自分には無縁のものだと思い込んでしまうところがある。かくいう私も、家に防災グッズは常備していない。

もともと日本の国土は山岳地帯と平野地帯の割合が7:3くらいで、山を切り開いたり河川を埋め立てたりして無理やり人が住めるようにしているところも多い。地震もよく発生するので、揺れにより緩んだ地盤に大雨が降れば地すべりや洪水、浸水も発生するだろう。日本は災害大国とも言える。災害は常に隣にいることを我々は意識するべきである。

 

諸行無常

仏教には、諸行無常という考え方がある。世の中の事象は常に変化しており、同じ状態を維持することはできない。

災害対策についても同じで、設備は老朽化する。人の記憶も薄れていく。定期的にアップデートが必要だ。

 

Design For Failureで天災に対峙する

Design For Failureという思想がある。システム設計をしていく上で、障害をいかに発生させないか、というよりも、障害は必ず発生するものだと捉えて、発生した場合にいかに可用性を維持できるかに注力するという考え方だ。

災害は発生するもので、如何ともしようがない。発生した場合に、自分たちの命をいかに守るか、人々に防災意識を根付かせるためのソフト面の施策にはどのようなものがあるか。

エンターテイメント性のあるものが良いだろう。防災訓練についても参加して楽しみがないとなかなか参加してもらえない。ポケモンGOモンスターストライクなどのスマホゲームとのタイアップなど。若者よりも人口の多い中高年を巻き込んでいけるほうが良いだろう。