<書評>スモール・リーダーシップ〜チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー

概要

『スモール・リーダーシップ』を読んだ感想と、自分が考えるリーダー像について述べる。

 

はじめに

私がこの本を購入したきっかけについては、はっきりと覚えていないが、翔泳社ECサイトの購入履歴に去年購入した記録があり、おそらくポイントの有効期限切れ間近で何かしら本を購入しようと考えていたことがうかがえる。もしかしたら、どこかのセミナー等で紹介されていたのかもしれない。

 

構成

本書は、以下の7章構成からなる。

 

第1章 スモールリーダーの心構え

第2章 チームに火を入れる

第3章 チームで「正しく考える」技術

第4章 対立は意見を掘り下げるチャンス

第5章 チームの活動を「見える化」する

第6章 問題を解決しながら前へ進む

第7章 仕事が回るサイクルを作り出そう

 

要約すると、

どんなに大きな組織でも、業務を回しているのは現場の数名のチームを率いるリーダーであり、自律的な組織を作っていく上で、リーダーのあるべき姿は、上位下達で押し付けるのではなく、メンバーの自主性を引き出し、信頼関係を築くことが必要である。

チームを育てるために、目的・目標を共有し、腹落ちするまで説明し、時には対立して、メンバーが自分で責任を持って行動できるよう、サポートしていくためのさまざまな手法が紹介されていた。

 

感想

内容としては、どこかで聞いたことのあるものばかりで、目から鱗が落ちるような、はっとした気づきを得ることはできなかった。

それは、私が同じような本を読んだり、セミナー受講をしていたことが要因だろう。

では、なぜ同様のHowTo本、啓発本を購入してしまうのか。

それは、私の中に、まだリーダーとはかくあるべき、という確固とした像を見出していないための迷いがあり、何かしらのヒントや答えを求めているのではないか。

 

ここで、私が考えるリーダー像について明文化してみる。

  • メンバーに安心感を与えるよう気配りをする
  • メンバーの能力を伸ばし、モチベーションを高める取り組みを行う
  • 課題解決に向けた能力や伝手を持っている
  • チームの誰よりも情熱を持っている

リーダーは組織の目的や存在意義を明示し、そこに向かうための目標や工程を、メンバーが自主的、自律的に考えて提示できるように、メンバーのモチベーションをあげていくための役割を果たす存在であってほしい。

自分の考えを押し付け、思い通りに進まない時に頭ごなしに怒鳴りつけていたのでは、メンバーは萎縮して組織は育たない。

 

私がこれまで会ってきたリーダーに、上記をすべて兼ね備えた人はいなかったが、いろいろな人に会ってきて、それぞれに良いところが多くあり、尊敬できる人も大勢いた。

リーダー像かくあるべきという本で謳われているような人物でなくても、現場は回っている。案件や関係者により、どんな働き方を望まれるかは形を変えていく。形が決まっていないので、これで合っているのか、という不安も生まれ、他者の意見に耳を傾けてしまう。

それで、いいじゃないのか。新たに得るものがなくても、今のやり方でだいたい合っていそう、という事実を得られるのなら。